Interview: Holy Fuck

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本稿は6年ぶりのフル・アルバムとなる『CONGRATS』を〈Innovative Leisure〉(日本盤はBeat Records)から5月27日にリリースするカナダ・トロント出身のインストゥルメンタル・ロックバンドHoly Fuckのオフィシャル・インタビューです。

 
Interview: Holy Fuck

質問作成: 天井潤之介

–最新作『CONGRATS』はじつに6年ぶりのフル・アルバムになります。まずは作り終えた実感から伺いたいのですが、個人的に一番気に入っているところ、そしていざ作り終えたものを聴き直してみて自分たちでも一番驚いたところについて教えてください。

B(ブライアン):サウンドの幅広さが一番気に入っているところだね。すごく新鮮でもあり、エモーショナルでもある。聴き直して思ったのは、自分たちが上手く映し出されているな、ということ。自分たちがどんな人間なのか、何を思っているかを他の人に表現するのはすごく難しいけれど、このアルバムではそれが上手く表現されていると思う。新作を聴いてもらえれば、俺たちのことをより深く知ることが出来るはずだよ。俺たちのことを知らない人たちでさえもね(笑)

G(グラハム):自分たちを表現する力がこの作品ではより高まっているんだ。そこが俺が気に入っている部分だね。自分たちが表現したいもの、特に感情を、よりそのまま表現出来ていると思う。驚きに関しては、まだわからないな。半年後とかに聴いたら、それが見えてくるかもしれないね。

Holy Fuck – Tom Tom | 『CONGRATS』収録

 

–自分たちの音楽を聴き返すことはありますか?

B:あんまり(笑)リリースの前はもちろん聴くけど、一度リリースされたら全く聴かない(笑)リリースされてから聴いても遅すぎるからさ。それに、リリースされるともう俺たちだけの音楽ではなくなるだろ?

–この6年の間も、とくにブライアン・ボーチャードとグラハム・ウォルシュは別のプロジェクトやプロデュース・ワーク等で個々に活動をされていたわけですが、そのなかで『CONGRATS』の曲作りはいつ、具体的にどんなかたちでスタートしたのでしょうか?

B:一緒にいることがあれば、その都度音楽を作るし、また次に会う時にそのアイディアを広げていったりする。今回のレコードもそのプロセスで出来上がったんだ。本格的にスタジオに入ったのは2015年。それまでは、地下室でジャムをやったりしていた。俺たちは皆住んでいる都市がバラバラだから、集まる度にその機会を活かして曲を作る。だから、2014年の時点で、アルバムをリリースするのに充分な数の曲は完成していた。16曲くらいできていたかな。曲作り自体には1年半くらいかかって、それから2015年にスタジオに入ってレコーディングしたんだ。

–曲作りの間には、変名でブルックリンでライヴもされていたそうですね?それはどういったものだったのでしょうか?

B:そうそう。今回のレコードでは、レコーディングする前に全ての曲をステージで演奏したんだ。レコーディングする前にオーディエンスの前でプレイしていみるというルールみたいなものを設定することで、曲としてよりリアルなものを作りたかった。だから、シークレットショーを計画して、ブルックリンの小さなヴェニューで演奏していたんだよ。レコーディングの前に実際にプレイしたらどんな感じかというリアルな感覚を得ることが出来たから、すごく良かった。

–どんな名前でショーを行っていたんですか?(笑)

B:ホーリー・ファンとか、ホーリーUKとか(笑)内輪のジョークさ(笑)

–過去、メンバー・チェンジを繰り返してきたホリー・ファックですが、今作は前作『Latin』の時と同じラインナップで制作された作品ということで、つまり同一のメンバーで制作された初めての2作品目になるわけです。『Latin』ツアー後の休息はバンドとして次に進むために必然的なものだったと思いますが、実際に休息を挟むことでメンバー同士の関係性や雰囲気に変化やポジティヴな影響をもたらした部分はありますか?

G:メンバー同士の関係や雰囲気に関してはわからないけど(笑)もちろん、バンドにとってポジティヴな影響はあったと思う。余裕を持つ事で音作りに集中することが出来たし、他の活動にも集中出来たから、クリエイティヴィティを養うことも出来たし、それがバンドに新たな世界観をもたらしたとも思うね。

–今作はバンドとして初めて本格的なスタジオで制作されたアルバムになりますが、その理由や狙いはどういったものだったのでしょうか?

G:単に、良いサウンドを作り出したかったというのが理由だよ。もっとアルバム制作に集中したかったし、そっちの方が楽しくもあると思った。

B:さっきも言ったように、先にステージでプレイすることでリハーサルは出来ていただろ?自分たちで出来るだけのことは全てやっていた。だから、本格的なスタジオに入って、バンド以外の人々の協力を得て、そこから更に良いサウンドを目指したいというのもあったんだ。

–それを今までやらなかったのは何故?

B:活動を長く続ける上で、自分たちに何が必要なのかが段々わかってきたからさ。

–今作のプレスリリースには「『CONGRATS』は物事を洗練させていく過程だということに気づいた。それは、物理的にも、哲学的にもそうだった」といった趣旨のウォルシュのコメントが引用されていますが。洗練に向けての判断、メソッド?

B:さっきグラハムが話した一番気に入っているところと同じ。この作品で、自分たちを表現する力がより高まったという意味なんだ。音楽という同じツールを使いながらも、以前よりも自分たちが表現したいもの、とくに感情をより適切に表現出来るようになってきている。その過程を表しているのさ。

G:例えば、これまでレコードを制作するにあたって、大まかなアイディアは持っていたんだ。はっきりとしてはいないけど、抽象的なコンセプトをね。その自分たちが思い描いている音のアイディアを、今回の作品ではこれまで以上に音にすることが出来ていると思うんだ。

–本格的なスタジオでレコーディングされたということで、演奏の機材やギアもこれまでと変更があったりしたのでしょうか?これまでの作品では質屋やガレージ・セールで手に入れたようなローファイでアナログな機材が積極的に使われてきたわけですが?

G:昔から使っていたキーボードが壊れたりもしたから、今回はより洗練されたテクノロジーが使われてるんだ。新しいサンプラーがこれまでとの一番の違いかな。

B:あと、テープも沢山使ってる。収録曲のうち2曲は4トラックが使われているし、ボーカルのエレクトでもテープのディレイが使われていたりする。後からハイテクなマシンを使ってはいるけど、最初のレコーディングは、殆どテープ・マシンを使っているんだ。ハイテクなものを使いながらも、古いものでサウンドをフィルターに通す。それでサウンドに違う質感が生まれるんだ。

–機材の変化が曲作りに変化をもたらした部分はありますか?

G:機材の変化やスタジオが変わったことはあまり関係ないと思う。

B:今回は以前よりもソングライティングに力を入れた。以前はあまり時間をかけていなくて、ドキュメンタリーみたいにその瞬間やエナジーを捉えることが主だったけれど、今回はクリエイティヴのプロセスが以前よりも重要視されていて、そういう意味では曲作りのプロセス自体が違っていたんだ。違う機材を使ったり、スタジオに入る前から曲作りは変化していたんだよ。

–今作の制作には2年という歳月を費やされたそうですが、ソングライティングやプロダクションに関して、具体的にもっとも意識した、腐心したポイントはありますか? インプロヴィゼーション寄りだった初期の作品を経て、前作の『Latin』ではぐっとビルドアップされて構築されたサウンドを披露されていましたが、今作ではそこからさらに洗練と深化を遂げたような印象をサウンドから受けます。とくにベースや低音の太さ、重さから。ソングライティングやプロダクションに関して、前作ともっとも異なる点は?

G:今話したようにプロセス自体が異なるし、今までとは違う機材や楽器が使われていることもそう。あと、これもさっき話したけど、意識したというか、以前よりも自分たちの表現力が高まっているから、自分たちが思い描いている音のアイディアや感情をこれまで以上に音にすることが出来ている。そこがポイントだね。

–今作では前作以上にヴォーカルが積極的かつ効果的に使われています。前作ではヴォーカルが楽器のように使われていたのに対して、今作ではたとえば「Xed Eyes」や「Neon Dad」に顕著なように、歌としてヴォーカルが使われているのが印象的です。そのあたりの変化についてはいかがでしょうか?

G:ブライアンは素晴らしいリリシストで、彼の歌詞の中には俺のお気に入りの言葉が沢山出てくる。でも、やっぱり俺たちのバンドの音楽は歌詞がメインではないんだよね。だから、前に出てくることがあるとすれば、それは自然と起こっていることなんだ。人間の声を加えることで、マシンだけでは冷ややかに聴こえてしまう音に暖かみや人間味を加えているんだと思う。それに、歌詞や歌があった方が、リスナーがよりその曲を繋がりやすくなるんじゃないかなとは思うね。でも、やはり俺たちの音楽は歌詞よりもフィーリングとサウンドが全てなんだ。

Holy Fuck – Xed Eyes | 『CONGRATS』収録

 

–歌詞はどんなことを歌っているんですか?

B:正直、俺たちにとってはあまり歌詞の内容は重要ではない。自分たちでさえもわかっていないこともある(笑)内容よりも、フィーリングを表現するものなんだよね(笑)ヴァイブを作り出すもの、と表現したらいいかな。自分たちにとってはセラピーみたいなもので、ストーリーを語っているというよりも、自分たちの感情を吐き出しているといった感覚なんだ。

–アコギが使われている「Shimmering」も印象的です。この曲はどんな経緯で生まれたのでしょう?

G:ギリギリに出来た曲だよ。

B:でも、ある意味レコードの中で一番古い曲でもある。作り始められてから10年くらい、ずっと寝かされていた曲なんだ。色々なフォームを試して、今回初めてレコードに収録したいと思えるしっくりくる作品が出来上がった。アコギから何か手を加えるより、そのままのサウンドの方がレコードの中の休憩時間っぽいというか、そっちの方が良いと思ってアコギを使っているんだ。

Interview: Holy Fuck >>Part.2

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