Interview Archive: James Vincent McMorrow (2012.03)

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+Pin on PinterestShare on TumblrEmail this to someoneBuffer this pagePrint this pageShare on VKShare on RedditFlattr the authorDigg thisShare on LinkedInShare on YummlyShare on StumbleUpon
JVMcM-620x413

 
本稿は音楽サイトPrivate Dubが2012年3月に公開したインタビュー記事のアーカイヴです。
 

Interview: James Vincent McMorrow (This article was first published by Private Dub)

by Satoru Teshima (lights and music)

ヒゲ、ハイトーン、フォーク・ミュージック。今この3つのファクターから真っ先に導き出されるものはBon Iverかもしれない。いや、もしかしたらIron & Wine、もしくはBonnie “Prince” Billyかもしれない。いや、今回紹介するのはJames Vincent McMorrow。彼はアイルランド人で、元々ハードコア・パンクのファン。その影響でドラムを始め、ヒップホップに感銘を受け、宅録をはじめようと思った。その後デビューアルバム『Early in The Morning』を半年間孤立した海辺の家に篭もり、一人きりで制作した。
楽曲を包み込む親密さと静寂、また、Jamesの時に温かく、時に激しく泣き叫ぶようにシャウトする歌声。そして聴き手に様々な感情を喚起させるディテールにまでこだわった比喩表現とタイムレスなメロディー。そのサウンドはBon IverやSufjan Stevensと比較される。2010年に発売されたデビューアルバムは本国アイルランドで温かく迎えられ、2011年にはThe Civil Warsとの北米ツアーを敢行。アメリカのTVショーで幾つか楽曲がフィーチャーされるなど、世界的注目も集まっている。
去年の夏からアプローチをかけて、ついに実現したこのメールインタビュー。まだ一度もJames Vincent McMorrowの音楽を体験したことがない読者の皆様には、彼の音楽に耳を澄ませてみてほしい。そこには音楽に真摯に向き合う一人の男の姿がある。

 

–まず、簡単に自己紹介からお願いします。

James Vincent McMorrow(以下James): 僕の名前はJames Vincent McMorrow。 言葉を綴り、歌を歌う。静けさとダイナミズムが同等に存在する音楽を奏でている。

–作曲する時にインスピレーションとなるものは何でしょうか。

James: 全て、何でも。実は見当もつかないんだ。テレビで何か見て、それについて曲を書かざるをえなくなるような気持ちになったことは一度も無いし、僕がやってることってそんなに反発的でも文字通りの意味が描かれるわけでもない。僕は抽象的なスタイルで執筆し、全てを想像と比喩のレイヤーで包み込むんだ。だから、ある瞬間たまたま僕にインスピレーションを与えるものがあったとすれば、そのレイヤーのどこかに紛れ込んでいるはずだよ。

–あなたが最も誇りに思っている曲はどれですか。

James: 全ての曲に誇りを持っているのだけれど、その中でも一番は「Down The Burning Ropes」。この曲は僕が初めてメロディー、歌詞、コード進行まで一気に30分くらいで書き上げた曲なんだ。書き終えた後に、同じ方法で作曲してみようと思ったけど、全然うまくいかなかった。これは全く例外的な歌なんだ。

–あなたはかつてはハードコアな音楽のファンだったそうですが、現在の音楽スタイルにどのように辿り着いたのでしょうか。

James: 変わったとは思わないな。僕は一度だってパンクやポスト・ハードコアの音楽を書いたことはないし、ただ聴いていただけ。まだファンだしね。でもそういう音楽を作りたいと思ったことは無いし、数え切れないほど様々なスタイルの音楽を聴いてるんだ。ヒップ・ホップを聴いて育った。曲のまとめ方とか、プロダクションに惹かれたんだ。その影響で宅録の方法を学ぼうと思ったんだ。自分の曲を書いているときは、常にはっきりと形にしたいサウンドや感覚が頭の中にある。それはずっと変わらない。

 

James Vincent McMorrow – This Old Dark Machine

 

–自分の歌声の発見したのはいつですか?今では慣れてきましたか?

James: “発見”したわけじゃないと思う。僕は常に歌い続けてた…ほとんどはベッドルームで一人きりでなんだけど、今みたいな歌声じゃなかった。だけどもしそれを続けていれば、もしピアノの前でずっと高いキーを歌えるように努力したり、他の歌手の歌唱に耳を澄ませて、彼らのしていることを聞き取ろうとすれば…そういう風に僕は自分自身の声を見つけることが出来たんだ。だからちょっとずつ『声』が自ら姿を現していったという感じかな。うん、この声にもかなり慣れてきたよ。この二年間ずっと休まずにツアーを続けたおかげで。今では前よりも自分の声に対する理解を深めたし、毎日変化を続けて力強く成長しているように感じるよ。ミュージシャンとしてそれはとても楽しみなことだし、そうあるべきなんだ。何でも静止状態じゃいけないんだ。

–デビューアルバム『Early In The Morning』は、海辺の近くの孤立した一軒家で収録されたとお聞きしています。一人きりでレコーディングをする動機は何だったのでしょう。

James: プランはなかった。アルバムを一枚作りたかったんだけど、スタジオは嫌いなんだ。冷たくて殺風景な時があるし、僕は録音の間に作曲と編曲を手がけるから。それって時間が掛かることだし、その時は貧乏だったからちゃんとしたスタジオ・ワークってのは上手くいくはずがなかった。当時、提供されればどこへでも行ったよ。とにかくどこか静かで、音が立てられればそれで良かったから。ブルックリンの下町を提供されたら、そこでアルバムを作ってたさ。実際にあんなに孤立した所や、あんなに自然に近接した所でレコーディングしようなんていう気持ちはゼロだった。ただそういう場所に辿り着いただけ。
僕が当時気付かなかったのは、録音する場所によってどれだけトーンや曲の感覚、そしてアルバムに影響を与えるかということだった。だからインタビューで僕は「制作環境とアルバムが最後には完璧にリンクした」ことについて話してきたんだ。だからさ、時が経つにつれてそこから尾ひれがついて広まったでっちあげ話に僕は笑っちゃうんだ。森の中にある山小屋とかなんとか。山小屋じゃなかったよ。ただのシンプルで愛らしい家で、僕が一生たっても忘れない素敵な思い出が詰まった場所だったんだ。

 

James Vincent McMorrow – We Dont Eat (Official Video)

–「We Don’t Eat」という曲について詳しく教えていただけますか。

James: やだね!大げさに気まずい印象を与えようとしているわけではなくて、曲の裏にある意味について語るのが好きじゃないんだ。そうしてしまうと目的が損なわれてしまう気がする。僕は自分のために曲を作る。でも聴くのは他のみんな。当然(音楽は)僕のパーソナルな場所から生まれるのだけれど、 もっと重要なのはみんながそこから何を感じるかなんだ。自分の作品を「何で書いたのか」「何についての曲なのか」全て説明してしまったら、みんなが音楽から感じることができる経験を減少させてしまうと僕は思ってる。そこから得る意味だとか、聞き取るものだとか…。考えすぎなのは分かってる!ただいつも強く感じてることなんだ!

–“Early in The Morning(朝早く)”には普段何をしますか?

James: 普通の生活と同じことさ。前は朝方人間じゃなくて、人生の大半は日が沈んでから行動してたんだ。でもツアーや旅行を通してそれも変わった。太陽が昇る頃にはほとんど起きていることが多い。今では朝が大好きで、もしダブリンの家に帰れたら(かなりレアなことなんだけど)、近くにある運河にそって散歩したいな。

–春にオススメの映画を教えてください。

James: うーん….何とか春に関連する映画を考えようとしてるんだけど…花が咲いたり、何かが再誕生するやつかな。いやいや、「ビッグリボウスキ」を見たら良いよ。どのシーズンにもぴったりだから。

–2012年に最も期待しているアルバムは何ですか?

James: Beach Houseの新作。素晴らしいものになると思う。彼らはアルバムごとに大きな一歩を踏み出していて、サウンドもとにかくオリジナルで瑞々しいし、曲も驚くほど良い。あとは新しいFiona Apple。今年発売されると思うけど、彼女は僕にとってのヒーローなんだ。僕が活動を始めた時に多大な影響を与えてくれた。

–最後に今年の活動を教えてください。

James: 今制作中なんだ。今年は新しいアルバムをレコーディングできるといいな。新曲を凄く楽しみにしているんだ。曲の向かっている方向もね。でもまだまだライブの予定がたくさんある。オーストラリアでデビューアルバムが発売されたところでだから、ライブをしに行くんだ。その後に音楽フェスティバルのシーズンに突入する。去年よりは休みもとれるだろうけど、それでもかなり大忙しだよね!今年はメインにスタジオに戻ることになるのかな。家に帰った時は常にそこに通ってるし。空気の薄いところで音を作り出すのがどれだけ好きだったか忘れていたよ。

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+Pin on PinterestShare on TumblrEmail this to someoneBuffer this pagePrint this pageShare on VKShare on RedditFlattr the authorDigg thisShare on LinkedInShare on YummlyShare on StumbleUpon