Interview: Laurel Halo

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Laurel Halo (photo by Masanori Naruse)

先月1月31日、代官山UNITで開催された〈Hyperdub〉の10周年を記念するスペシャル・ツアー・イベント、Hyperdub 10。Burial、Flying Lotus、Joker、Zombyなどのリリースでも知られ、ダブステップからジューク/フットワークやトラップなど、あらゆるベース・ミュージックを網羅し、さらにはインディー・ロックに至るまで、設立以来シーンを牽引し続けて来た〈Hyperdub〉から、レーベル主宰Kode9をはじめとして、昨年に同レーベルよりアルバムをリリースしたDJ RashadIkonika、そしてLaurel Haloの4名が日本を訪れ、素晴らしいプレイで私たちを魅了してくれた。

Public Rhythmは今回、昨年にアルバム『Chance of Rain』をリリースし、本公演にて初来日を遂げた才女Laurel Haloにインタビューを行い、その名前の由来、作品に対する意志やインスピレーションなどを含め、彼女のこれまでの歩みとこれからの予定を聞いた。
 

Interview: Laurel Halo

Public Rhythm(以下、PR):ようこそ日本へ! さて、Laurel Haloというアーティスト名義は、あなたの作風をそのまま投影しているように感じているのですが、そもそもの音楽的ルーツと、音楽制作のきっかけを教えてください。

Laurel Halo:それはね、実は違うの。Laurel Haloというのは適当に選んだ名前で、それ以降、変えられなくなっちゃっただけ! 音楽は子供のころからやっていて、エレクトロニック・ミュージックやダンス・ミュージックに興味を持ち始めたのは10代の頃。デトロイトで初めてテクノを聴いて、シンセサイザーを沢山使っているPink FloydやPrinceを聴いたりしていたのよ。自分で音楽を制作するようになったきっかけは、音を録音して、自分の頭の中にある音楽を形にする方法を学ばないといけないと思ったからなの。

PR: なるほど、それではあなたが〈Hyperdub〉に所属する以前、〈Hippos In Tanks〉から『King Felix』と『Hour Logic』というEPをリリースしていますが、その当時と現在で、楽曲制作においてあなたが芯としているこだわりやモチベーションには変化がありましたか? もし変化があるのならば、それは一体どのようなことでしょうか? あなたがあなたらしい音楽を表現する上で源泉としているものは何ですか?。

Laurel Halo:あのレコードを作った時は若かったの。Laurel Haloというプロジェクトは、”自分が音楽にどんな響きをもたせたいのか”を模索する過程なのよ。その過程に、矛盾やパラドックスという概念を加えてみる。どのように相反する要素を使って、統一された音楽を作るか。音楽のスタイルが具体的に決まっている場合は、今後、別の名前を使って音楽をリリースするかもしれない。そして、Laurel Haloは、様々なスタイルの音楽をリリースするための名前として使うかもしれないわ。


PR: 音楽を制作するきっかけが”声を録音すること”から始まり、先ほどあげたEPでもそうであったように、2010年にGames(aka Ford & Lopatin)がリリースした『That We Can Play』の収録曲「Strawberry Skies」にはヴォーカリストとして参加していましたし、前作『Quarantine』では「Light + Space」を含め幾つかの曲で歌っていましたね。ですから、今作『Chance of Rain』において、やはり最も特徴的なのは、あなたが歌っていないことにあると思っています。自分がヴォーカルを使うのはあくまで機材では作り出せないサウンドを表現するため、とあなたは以前語っていましたが、今作においてそれを廃したのは「機材では作り出せないサウンド」とは別の方向性に主眼をおいていたからでしょうか? 今作の制作背景を教えてください。

Laurel Halo:今回ヴォーカルを使わなかったのは、ヴォーカルが自分の作品の中心要素ではないからなの。中心となる要素は、プロダクションや作曲であって、歌うことではないの。過去の作品、特に『Quarantine』ではヴォーカルを使ったけれど、それは声という手段を概念として捉えたから。シンセサイザーで演奏される表面部分に対する、生のヴォーカルという並置。でも、ライブでプレイするときには、私は絶対に歌わない。ライブは、アブストラクトなインストのテクノ・セットをやる。それは、『Chance of Rain』に反映されているでしょ。それから、『Chance of Rain』は、私の音楽的背景により近い作品だと思う。垂直や水平な瞬間から雰囲気や環境を生み出し、コントラストや矛盾に伴う緊張感を探索しているの。

(Games:Oneohtrix Point NeverことDaniel LopatinとAirbirdことJoel Fordによるユニット)

PR: “どのように相反する要素を使って、統一された音楽を作るか”ということに繋がっているのですね。『Quarantine』では会田誠氏の切腹女子高生をアートワークとして起用していましたが、今作のアートワークはあなたの父親が70年代に描いたものだと聞いています。規則的に並ぶ墓穴の表象は、「Ainonnme」を始めとしたこのアブストラクトなテクノ・サウンドを象徴しているように思えますが、やはりこのアートワークにインスパイアを受けたものなのでしょうか? 音楽に対してアートワークが付属するのではなく、アートワークに対して音楽でそれを即興的に表現したということでしょうか。

Laurel Halo:アルバムのアートワークは、アルバムを制作する過程において、かなり中心的な部分を担っているわ。『Quarantine』や『Chance of Rain』を制作したときも、それぞれのアートワークにインスピレーションを受けて作ったのよ。そのインスピレーションが、アルバムのサウンドにも反映されていると思う。さっきも話したけれど、コントラストという概念を楽しんで、アルバムアートには、音楽を表現するものであると同時に、その真逆に位置するものであってほしい。だから、『Chance of Rain』の場合、アルバム自体は物理的なものだけれど、カバーはスピリチュアルな存在を表現している。でも、アルバムには白黒で拡張する感じがあって、それはアートワークにも通じるものがある。そして、『Quarantine』のサウンドは、切腹女子高生のアートワークほどカラフルではないにしろ、切るようなバイオレンスが奥底にある、という意味では類似しているわね。


PR: さて、昨年末にはelectraglideでも来日していたFactory Floorのリミックスもしていましたね。作品を聴いていると音響的な一面もあるように感じますが、あなたにとって〈Hyperdub〉というレーベルに所属する最大の意義とはなんでしょうか。今回のツアーは〈Hyperdub〉の10周年を記念したスペシャル・レーベル・ショウケースということですが、〈Hyperdub〉に所属することによって得られたもの、新しい感覚があれば聞かせてください。

Laurel Halo:自分が、〈Hyperdub〉クルーの一員だということを嬉しく思うわ。皆といると、もっとすごいプロデューサーやライブパフォーマーになろう、というインスピレーションが湧いてくる。

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DJ Rashad & Kode9 (photo by Masanori Naruse)


PR: イベントではDJ RashadやIkonikaとも共演することになりましたが、Juke/Footworkのサウンドに興味を持った、あるいは影響を受けたことはありますか?

Laurel Halo:フットワークとジュークの中で、好きなものは沢山ある。サンプリングのやり方が新鮮でスピーディなのは尊敬している。それから、ビートもすごくゆがんでいたり複雑だったりする。

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Ikonika (photo by Masanori Naruse)


PR: それでは、今、あなたがよく聴いている音楽を教えて下さい。具体的なアーティスト名でも、ジャンルでもヴァイブスでも構いません。

Laurel Halo:Black Jazzの再発行ものをたくさん聴いているわね。あと、20世紀初期の合唱音楽とか、そうね、ダブ・レゲエもたくさん聴く。Donald ByrdやAlice Coltraneまで遡ってる。それから、Wild OatsやFuture Timesからのリリース、Mass Prodとか色々よ。


PR: それでは、音楽以外で”大切にしているもの”は何でしょうか。

Laurel Halo:大切にしているものは、読書、美味しい食べ物、犬、それと良い天気ね。

PR: あなたの音楽は日本でも高い人気を誇っていますが、日本でのライブの感触はいかがでしたか? 今回のツアーでは東京・名古屋・金沢・大阪と巡りましたが、それぞれの地域ごとの観客の反応はどうでしたか? また、どの街が最も気に入りましたか?

Laurel Halo:またすぐにでも日本に戻って来たい! どの街も素晴らしかった。ひいきしたくないけど、それぞれの街に違った雰囲気があって、クラウドの反応もみんな良かったわ。東京は本当に沢山の人が来てくれたし、とても大きな反響があった。でも、名古屋CLUB MAGOのオーディエンスとの親密な環境も好きだった。金沢MANIERの雰囲気も良かったし、大阪では、早い時間からのパーティだったのにとっても良い雰囲気だったわ!

PR: では、日本のアーティストでコラボレーションしたい人はいますか?

Laurel Halo:会田誠氏とコラボレーションできたら素晴らしいと思う。ミュージシャンではNHK’Koyxenの大ファンなの。いつかコラボできる日が来るかも!


PR: 2014年の予定はどうなっていますか? 未来のことは、それこそ暈のようにおぼろげかもしれませんが、今考えている音楽について将来的なヴィジョンがありましたら教えて下さい。

Laurel Halo:まず、ライブセットに力を入れる。それから、12インチを一枚か二枚くらいリリースするかな。それと名前はまだ出せないのだけれど、あるアーティストとのコラボレーションを予定しているわよ!

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Laurel Halo (photo by Masanori Naruse)


Interview & Text by Kurihara Akihiro

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