Interview: CEO

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2010年にリリースしたファースト・アルバム『White Magic』が世界中で賞賛されたにも関わらず、Eric BerglundことCEOはその後自身が主宰するレーベルSincerely Yoursの運営に専念する等して、アーティストとしてはあまり表立った活動をせずに長い間沈黙していた。だが、その沈黙は昨年末に突如として破られ、約4年ぶりのフル・アルバム『WONDERLAND』のリリースがアナウンスされた。
ニュー・アルバム『WONDERLAND』にはCEOの偏執的なまでの美学が詰め込まれている。細部まで丁寧に作りこまれたヴィヴィッドでドリーミーなトラック、前作でも聴かせてくれた流麗かつ確固としたメロディ。その相互作用によって、とてもハイスペックなポップ・ミュージックに仕上がっているのだが”ポジティヴ”よりも”躁的”という言葉が似合うのは彼の理想主義かつ繊細な面がアルバムの随所に見え隠れしているからだろう。
今回Public Rhythmでは彼にメール・インタビューで話を聞いた。アルバムについて、インスピレーションの源、そして彼にとっての『WONDERLAND』とは一体どのような場所なのか。
なお、今回のインタビューはフレンド・ブログのlights and musicと合同でおこなっており、lights and musicにも彼に別の視点から迫ったインタビューが掲載されているので是非そちらも併せてご覧ください。

 

Interview: CEO

Public Rhythm(以下、PR):4年ぶりのフル・アルバムのリリースとなりましたが、本作の制作を始めるきっかけは何でしたか? また、リスナーにはどのようなシチュエーションであなたの音楽を聴いて欲しいですか?

CEO:きっかけは僕の頭の中にあったシャープなイメージと感情が形として現れた「気づき」の期間を迎えたこと。とても激しく、純粋な経験だったよ。そのとき『WONDERLAND』を作る意外に方法は無いと思ったんだ。聴くタイミングはいつでもどこでも自分が感じた時にしてくれたら良いよ。ただ自分の心を落ち着かせて、心を開いてみてほしい。心や考えが、自分がどういう人物なのか、何が好きなのか、そういうものが自己や経験したもののフィルターとして作用してしまうと、色々なものが失われてしまうから。

PR:前作『White Magic』のモノクロームなアルバム・ジャケットと対照的に、今回の『WONDERLAND』からは非常にヴィヴィッドな印象を受けたのですが、アルバムで目指した音の質感の違いはもちろんとして、前作と今作で制作環境や心境に大きな変化がありましたか?

CEO:実を言うと『WONDERLAND』は今までの都市を拠点とした制作活動と違って、そのほとんどが田舎で作られたんだ。でもこのアルバムの変化を与えたのはもっと内面的なもの。今作は制作の大部分を自分の力でやったから、そういったプレッシャーをどうやってコントロールするかもっと深く考える必要があった。だから制作の初期段階で、作品に対して不安を感じたり心配になったら作業を休憩するように決めてたんだ。制作へのプレッシャーを感じたときは手を止めてたよ。もし自分が手慣れたことや、そこから生まれたものに独自性や安心感が無くても、「これで大丈夫だ」って思わなきゃいけないって感じてた。お金や評価、そういったものに。時にすごくハードだったよ。特に「これって本当にレコードになるのかな」って思ったときとかさ。でも僕は大部分で考え方を一定に保つことにして、それにはすごく満足してる。そのおかげでアルバムがもっと誠実で自由なものになったし、僕がひとりの人間として成長するきっかけにもなった。

PR:トラックリストを見て、最も目を惹かれるのは「HARAKIRI」という曲なのですが、曲中にグリフィスの「ただ一人、お前だけが俺に夢を忘れさせた」というセリフをサンプリングしていることからわかるように、ベルセルクからのインスピレーションもありますね? 本作のティザー・ビデオや過去のMVにも日本のアニメのシーンやキャラクターが登場していました。日本の漫画やアニメーションもお好きなのですか?また、あなたからみた日本のイメージとはどのようなものでしょうか?

CEO:うん、自分が見たアニメのなかでも好きなものがたくさんあって、とてもインスピレーショナルだった。色んな理由でね。その一つは、例えばとても可愛いキャラクターが同時に非常に暴力的なキャラクターになったりするような、彼らが所有する矛盾性。それが僕の心に響いた。僕が日本を頭に描く時、色んなものが目に浮かぶんだ。ハロー・キティー、武士道。道元禅師にきゃりーぱみゅぱみゅ。山を包み込む雪にネオンの光。

PR:今、気に入っている作品や、他にもインスピレーションをうけたものがあれば教えてください。

CEO:えーと何かな。春、Lil Durk、ドリス・ヴァン・ノッテン、アンデス山脈、ランボルギーニ、コンスタンティン・ブランクーシ、Katniss(多分Hunger Gameの主人公)、Peace PilgrimTeam Rockit。そんなものかな!

PR:あなた自身が主宰するSincerely Yoursから『WONDERLAND』はリリースされましたが、日本国内盤はTugboat RecordsとP-VINEからのリリースとなりましたね。Tugboat RecordsのこれまでのリリースをみるとBathsといい、日本から影響を受けたアーティストが多いように感じます。日本盤をリリースするにあたってレーベルを選んだ理由を教えてください。

CEO:え、そうなの!知らなかったな!えーとね、アルバムのティザーを公開してすぐに彼らからコンタクトを受け取ったんだ。きっとこれはいけるって感じ取ってくれたんじゃないかって。彼らもエキサイトしてたみたいだし、とてもナイスな感じだった。この春日本に行くんだけど、友達を作りたいなって思ってる。知らない言語のなかで路頭に迷いたくないんだ。みんなに直に会いたいんだ。もしみんなも僕に会いたかったら教えてね!

PR:『WONDERLAND』のレコーディングにはDan Lissvikと前作に引き続きSincerely Yoursに所属するKendal Johanssonが共同プロデューサーとして参加していますが、本作における彼らの仕事ぶりを教えて下さい。

CEO:彼らはまったく正反対の人物なんだ。Kendalはとてもセンシティブでムーディーで、結構一緒に作業するのも大変なんだ。でも間違いなく天才的で、それも苦にならない。Danは安定していて、才能があり、テクに関してはプロフェッショナル。二人とも全く違ったアプローチで僕を助けてくれた。Kendalとは速い段階でいろいろな素材をレコーディングしたし、Danは最終の方にテクニカルなものや決めなきゃいけないことにたくさんのアドバイスをくれた。二人ともずっと前からの友達だからうまくいったよ。友達以外の人とこういう親密な作業を共有するのは僕はちょっと考えられないな。

PR:あなたは音だけでなくジャケット・アートワークやMV等にもとても気を使っていると感じています。本作のヴィジュアル・イメージについて教えて下さい。そういえばリード・トラックである「WHOREHOUSE」のMVには”selfie”とありましたが、このビデオはあなたがディレクションしたのでしょうか?

CEO:このアルバムの制作前に僕が見たイメージはアートワークやビデオ・クリップで見られるものととっても似ている。1000倍くらいもっと素晴らしいやつだったけど。最終的にリリースするものが、毎回前から頭に描いていたものの、ただの寂しいコピーだっていうのには結構イライラさせられるけど、それが人生ってもんだし、それを受け入れようとするのってとても大事だと思うんだ。人生は今もこれからも自分のアイディアそのものになることはないし、それを受け入れることがピースフルな人生を送る秘訣の一つなんだ。本当に。
あと、そう僕が撮ったんだよ!監督も編集も自分でやった。人生で一番大変だったもののような気がするけど、いろんな理由でそれ以外に自分の頭の中にあったものを現実化する方法はなかったんだ。

PR:『WONDERLAND』というタイトルは、本作の浮世離れした享楽的でヴィヴィッドなサウンドを良く表していると思います。オープニング・トラック「WHOREHOUSE」の冒頭で「僕はパンドラの箱を開けてしまったようだ」と呟いているのも印象的だったのですが、あなたにとって『WONDERLAND』とはどんな場所なのでしょうか?

CEO:それは僕らの人生をイリュージョンに変えてしまう心のノイズに取り乱されることのない状態のこと。それはリアルライフ。すべてが一つのものとして存在する場所。

インタビューの後半はlights and musicへ。


Link:
Official
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Sincerely Yours
Tugboat Records


Interview by Kanou Kaoru, Kurihara Akihiro
Text by Kanou Kaoru
Translation by Satoru Teshima
Support by TugBoat Records

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